「家出の勧め」は誰にでも覚えがあります。物心の付き始める年頃となると必ずやってくる「悩み事」のようです。私も考え込んだ少年で今昔＃６５ Jikowsつれづれ〈家出〉
したが 偶然も重なり早い年に童子なりに解決しました。
次に語る事件は私の身近で起きたことで あまり公にはしたくない案件ですが 老いて終末を眼前にしても 未だにどうしても「どうして親をすてなかった？」と口惜しさにやりきれないのです。だから 書くのです。
甘たっれるな！ 親子関係は弱虫では出来上がらん。 優等生でないから言えることもあんじゃ！
少年Sは私と同年、向こうは優等生、俺は問題児でした。父親は終戦間際に南の海に戦死。 ために偶々の偶然となりますが 私と同じ北上の片田舎に仮住まいを続ける境遇でした。 要するに 住むところもなく食うに食えない難民が農村の親戚を頼って都落ちをしてきた厄介者です。 歓迎される筋ではありませんでしょう。
少年Sは母と二歳下の弟の母子家庭です。 3人は村のはずれの祖父が営む作業場でつつましく暮らしているかに ガキの僕には見えました。 祖父は村一帯の農機具の手入れをやって 此の若後家となってしまった息子の嫁一家を面倒見ていました。 俺は『ウサギの生け捕り』をこのおじいさんに教わったのだ。
ところが 祖父は丁度一年ほど元気だったんだけどアッサリ死んでしまったのです。 息子嫁は村の子供どもを丸坊主にして小銭を得ていましたが こんなことで食っていける筈はありません。
本家の主は長男が継いでいます。 亡くなった夫の兄貴です。この兄貴が頼りになる男でした。寡婦の住家を好く訪れ一家3人の慰めとなっていたのでした。 幼い2人の兄弟が＜伯父さん＞の来宅を喜ぶ日が４～５年も続いたでしょうか、少年Sが中2の14歳のころ
嫌な噂を耳にしました。 【お母さんとオジサンは出来ている】。
やがて本家の方からも 嫌味というか蔑みというのか 2人の兄弟には未だ理解できない言葉を投げつけられることとなるのでした。
中学時代とは 全くもって運の悪い時期に出会ったものでした。少年Sも弟も世間に口を利かなくなりました。伯父貴がヤッテきても目も合わせません。間に入った母親はオロオロするばかり。 ただ ブツブツと何やら二人に手を合わせお願いするばかりだったのです。
弟の方は中学を卒業するとサッさと埼玉の鋳物工場に住み込み就職を決めて消えてしまいました。
少年Sには色々忠告する人がいました。 私も小なりに心配する一人でした。 「出ちゃえよ あんな所・・・」
彼は全然耳をかさないのです。 俺自身は親友ぐらいに思っていたのでしたが やはり問題児はさして信用はされてはいなかったよ
うです
少年Sは高校卒業で地元村役場に就職、母のもとを離れませんでした。
役場に勤務中の彼は 周囲とは挨拶もせず口も利かない嫌われ者として存在しているだけだったようです。
毎晩 小学同級の友人宅に立ち寄り一升二升と飲み明かす毎日でした。そして倒れ、三か月の闘病生活の後 あっ気なく21年の人生
に幕を下ろしたのです。黙って忠告じみた口もたたかず酒の相手をしていた幼友達は Sの墓堀りをやっていました。
私は＜人間関係でやり切れない場＞に出くわした時には 必ずSのことを想うのです。さぞ無念であっただろう。もっともっと多くの本を読みたかったであろうに・・・。 ８０も中ばとなりました俺は お粗末をいっぱいやらかし 酒も味噌汁も沢山飲む事が出来ました。
Jikowsつれづれ 「家出のすすめ」 中津さんそん
「家出の勧め」は誰にでも覚えがあります。物心の付き始める年頃となると必ずやってくる「悩み事」のようです。私も考え込んだ少年で今昔＃６５ Jikowsつれづれ〈家出〉
したが 偶然も重なり早い年に童子なりに解決しました。
次に語る事件は私の身近で起きたことで あまり公にはしたくない案件ですが 老いて終末を眼前にしても 未だにどうしても「どうして親をすてなかった？」と口惜しさにやりきれないのです。だから 書くのです。
甘たっれるな！ 親子関係は弱虫では出来上がらん。 優等生でないから言えることもあんじゃ！
少年Sは私と同年、向こうは優等生、俺は問題児でした。父親は終戦間際に南の海に戦死。 ために偶々の偶然となりますが 私と同じ北上の片田舎に仮住まいを続ける境遇でした。 要するに 住むところもなく食うに食えない難民が農村の親戚を頼って都落ちをしてきた厄介者です。 歓迎される筋ではありませんでしょう。
少年Sは母と二歳下の弟の母子家庭です。 3人は村のはずれの祖父が営む作業場でつつましく暮らしているかに ガキの僕には見えました。 祖父は村一帯の農機具の手入れをやって 此の若後家となってしまった息子の嫁一家を面倒見ていました。 俺は『ウサギの生け捕り』をこのおじいさんに教わったのだ。
ところが 祖父は丁度一年ほど元気だったんだけどアッサリ死んでしまったのです。 息子嫁は村の子供どもを丸坊主にして小銭を得ていましたが こんなことで食っていける筈はありません。
本家の主は長男が継いでいます。 亡くなった夫の兄貴です。この兄貴が頼りになる男でした。寡婦の住家を好く訪れ一家3人の慰めとなっていたのでした。 幼い2人の兄弟が＜伯父さん＞の来宅を喜ぶ日が４～５年も続いたでしょうか、少年Sが中2の14歳のころ
嫌な噂を耳にしました。 【お母さんとオジサンは出来ている】。
やがて本家の方からも 嫌味というか蔑みというのか 2人の兄弟には未だ理解できない言葉を投げつけられることとなるのでした。
中学時代とは 全くもって運の悪い時期に出会ったものでした。少年Sも弟も世間に口を利かなくなりました。伯父貴がヤッテきても目も合わせません。間に入った母親はオロオロするばかり。 ただ ブツブツと何やら二人に手を合わせお願いするばかりだったのです。
弟の方は中学を卒業するとサッさと埼玉の鋳物工場に住み込み就職を決めて消えてしまいました。
少年Sには色々忠告する人がいました。 私も小なりに心配する一人でした。 「出ちゃえよ あんな所・・・」
彼は全然耳をかさないのです。 俺自身は親友ぐらいに思っていたのでしたが やはり問題児はさして信用はされてはいなかったよ
うです
少年Sは高校卒業で地元村役場に就職、母のもとを離れませんでした。
役場に勤務中の彼は 周囲とは挨拶もせず口も利かない嫌われ者として存在しているだけだったようです。
毎晩 小学同級の友人宅に立ち寄り一升二升と飲み明かす毎日でした。そして倒れ、三か月の闘病生活の後 あっ気なく21年の人生
に幕を下ろしたのです。黙って忠告じみた口もたたかず酒の相手をしていた幼友達は Sの墓堀りをやっていました。
私は＜人間関係でやり切れない場＞に出くわした時には 必ずSのことを想うのです。さぞ無念であっただろう。もっともっと多くの本を読みたかったであろうに・・・。 ８０も中ばとなりました俺は お粗末をいっぱいやらかし 酒も味噌汁も沢山飲む事が出来ました。
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毎晩 小学同級の友人宅に立ち寄り一升二升と飲み明かす毎日でした。そして倒れ、三か月の闘病生活の後 あっ気なく21年の人生
に幕を下ろしたのです。黙って忠告じみた口もたたかず酒の相手をしていた幼友達は Sの墓堀りをやっていました。
私は＜人間関係でやり切れない場＞に出くわした時には 必ずSのことを想うのです。さぞ無念であっただろう。もっともっと多くの本を読みたかったであろうに・・・。 ８０も中ばとなりました俺は お粗末をいっぱいやらかし 酒も味噌汁も沢山飲む事が出来ました。
Jikowsつれづれ 「家出のすすめ」 中津さんそん
「家出の勧め」は誰にでも覚えがあります。物心の付き始める年頃となると必ずやってくる「悩み事」のようです。私も考え込んだ少年で今昔＃６５ Jikowsつれづれ〈家出〉
したが 偶然も重なり早い年に童子なりに解決しました。
次に語る事件は私の身近で起きたことで あまり公にはしたくない案件ですが 老いて終末を眼前にしても 未だにどうしても「どうして親をすてなかった？」と口惜しさにやりきれないのです。だから 書くのです。
甘たっれるな！ 親子関係は弱虫では出来上がらん。 優等生でないから言えることもあんじゃ！
少年Sは私と同年、向こうは優等生、俺は問題児でした。父親は終戦間際に南の海に戦死。 ために偶々の偶然となりますが 私と同じ北上の片田舎に仮住まいを続ける境遇でした。 要するに 住むところもなく食うに食えない難民が農村の親戚を頼って都落ちをしてきた厄介者です。 歓迎される筋ではありませんでしょう。
少年Sは母と二歳下の弟の母子家庭です。 3人は村のはずれの祖父が営む作業場でつつましく暮らしているかに ガキの僕には見えました。 祖父は村一帯の農機具の手入れをやって 此の若後家となってしまった息子の嫁一家を面倒見ていました。 俺は『ウサギの生け捕り』をこのおじいさんに教わったのだ。
ところが 祖父は丁度一年ほど元気だったんだけどアッサリ死んでしまったのです。 息子嫁は村の子供どもを丸坊主にして小銭を得ていましたが こんなことで食っていける筈はありません。
本家の主は長男が継いでいます。 亡くなった夫の兄貴です。この兄貴が頼りになる男でした。寡婦の住家を好く訪れ一家3人の慰めとなっていたのでした。 幼い2人の兄弟が＜伯父さん＞の来宅を喜ぶ日が４～５年も続いたでしょうか、少年Sが中2の14歳のころ
嫌な噂を耳にしました。 【お母さんとオジサンは出来ている】。
やがて本家の方からも 嫌味というか蔑みというのか 2人の兄弟には未だ理解できない言葉を投げつけられることとなるのでした。
中学時代とは 全くもって運の悪い時期に出会ったものでした。少年Sも弟も世間に口を利かなくなりました。伯父貴がヤッテきても目も合わせません。間に入った母親はオロオロするばかり。 ただ ブツブツと何やら二人に手を合わせお願いするばかりだったのです。
弟の方は中学を卒業するとサッさと埼玉の鋳物工場に住み込み就職を決めて消えてしまいました。
少年Sには色々忠告する人がいました。 私も小なりに心配する一人でした。 「出ちゃえよ あんな所・・・」
彼は全然耳をかさないのです。 俺自身は親友ぐらいに思っていたのでしたが やはり問題児はさして信用はされてはいなかったよ
うです
少年Sは高校卒業で地元村役場に就職、母のもとを離れませんでした。
役場に勤務中の彼は 周囲とは挨拶もせず口も利かない嫌われ者として存在しているだけだったようです。
毎晩 小学同級の友人宅に立ち寄り一升二升と飲み明かす毎日でした。そして倒れ、三か月の闘病生活の後 あっ気なく21年の人生
に幕を下ろしたのです。黙って忠告じみた口もたたかず酒の相手をしていた幼友達は Sの墓堀りをやっていました。
私は＜人間関係でやり切れない場＞に出くわした時には 必ずSのことを想うのです。さぞ無念であっただろう。もっともっと多くの本を読みたかったであろうに・・・。 ８０も中ばとなりました俺は お粗末をいっぱいやらかし 酒も味噌汁も沢山飲む事が出来ました。
Jikowsつれづれ 「家出のすすめ」 中津さんそん
「家出の勧め」は誰にでも覚えがあります。物心の付き始める年頃となると必ずやってくる「悩み事」のようです。私も考え込んだ少年で今昔＃６５ Jikowsつれづれ〈家出〉
したが 偶然も重なり早い年に童子なりに解決しました。
次に語る事件は私の身近で起きたことで あまり公にはしたくない案件ですが 老いて終末を眼前にしても 未だにどうしても「どうして親をすてなかった？」と口惜しさにやりきれないのです。だから 書くのです。
甘たっれるな！ 親子関係は弱虫では出来上がらん。 優等生でないから言えることもあんじゃ！
少年Sは私と同年、向こうは優等生、俺は問題児でした。父親は終戦間際に南の海に戦死。 ために偶々の偶然となりますが 私と同じ北上の片田舎に仮住まいを続ける境遇でした。 要するに 住むところもなく食うに食えない難民が農村の親戚を頼って都落ちをしてきた厄介者です。 歓迎される筋ではありませんでしょう。
少年Sは母と二歳下の弟の母子家庭です。 3人は村のはずれの祖父が営む作業場でつつましく暮らしているかに ガキの僕には見えました。 祖父は村一帯の農機具の手入れをやって 此の若後家となってしまった息子の嫁一家を面倒見ていました。 俺は『ウサギの生け捕り』をこのおじいさんに教わったのだ。
ところが 祖父は丁度一年ほど元気だったんだけどアッサリ死んでしまったのです。 息子嫁は村の子供どもを丸坊主にして小銭を得ていましたが こんなことで食っていける筈はありません。
本家の主は長男が継いでいます。 亡くなった夫の兄貴です。この兄貴が頼りになる男でした。寡婦の住家を好く訪れ一家3人の慰めとなっていたのでした。 幼い2人の兄弟が＜伯父さん＞の来宅を喜ぶ日が４～５年も続いたでしょうか、少年Sが中2の14歳のころ
嫌な噂を耳にしました。 【お母さんとオジサンは出来ている】。
やがて本家の方からも 嫌味というか蔑みというのか 2人の兄弟には未だ理解できない言葉を投げつけられることとなるのでした。
中学時代とは 全くもって運の悪い時期に出会ったものでした。少年Sも弟も世間に口を利かなくなりました。伯父貴がヤッテきても目も合わせません。間に入った母親はオロオロするばかり。 ただ ブツブツと何やら二人に手を合わせお願いするばかりだったのです。
弟の方は中学を卒業するとサッさと埼玉の鋳物工場に住み込み就職を決めて消えてしまいました。
少年Sには色々忠告する人がいました。 私も小なりに心配する一人でした。 「出ちゃえよ あんな所・・・」
彼は全然耳をかさないのです。 俺自身は親友ぐらいに思っていたのでしたが やはり問題児はさして信用はされてはいなかったよ
うです
少年Sは高校卒業で地元村役場に就職、母のもとを離れませんでした。
役場に勤務中の彼は 周囲とは挨拶もせず口も利かない嫌われ者として存在しているだけだったようです。
毎晩 小学同級の友人宅に立ち寄り一升二升と飲み明かす毎日でした。そして倒れ、三か月の闘病生活の後 あっ気なく21年の人生
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私は＜人間関係でやり切れない場＞に出くわした時には 必ずSのことを想うのです。さぞ無念であっただろう。もっともっと多くの本を読みたかったであろうに・・・。 ８０も中ばとなりました俺は お粗末をいっぱいやらかし 酒も味噌汁も沢山飲む事が出来ました。
Jikowsつれづれ 「家出のすすめ」 中津さんそん
「家出の勧め」は誰にでも覚えがあります。物心の付き始める年頃となると必ずやってくる「悩み事」のようです。私も考え込んだ少年で今昔＃６５ Jikowsつれづれ〈家出〉
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次に語る事件は私の身近で起きたことで あまり公にはしたくない案件ですが 老いて終末を眼前にしても 未だにどうしても「どうして親をすてなかった？」と口惜しさにやりきれないのです。だから 書くのです。
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少年Sは私と同年、向こうは優等生、俺は問題児でした。父親は終戦間際に南の海に戦死。 ために偶々の偶然となりますが 私と同じ北上の片田舎に仮住まいを続ける境遇でした。 要するに 住むところもなく食うに食えない難民が農村の親戚を頼って都落ちをしてきた厄介者です。 歓迎される筋ではありませんでしょう。
少年Sは母と二歳下の弟の母子家庭です。 3人は村のはずれの祖父が営む作業場でつつましく暮らしているかに ガキの僕には見えました。 祖父は村一帯の農機具の手入れをやって 此の若後家となってしまった息子の嫁一家を面倒見ていました。 俺は『ウサギの生け捕り』をこのおじいさんに教わったのだ。
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本家の主は長男が継いでいます。 亡くなった夫の兄貴です。この兄貴が頼りになる男でした。寡婦の住家を好く訪れ一家3人の慰めとなっていたのでした。 幼い2人の兄弟が＜伯父さん＞の来宅を喜ぶ日が４～５年も続いたでしょうか、少年Sが中2の14歳のころ
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少年Sには色々忠告する人がいました。 私も小なりに心配する一人でした。 「出ちゃえよ あんな所・・・」
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少年Sは高校卒業で地元村役場に就職、母のもとを離れませんでした。
役場に勤務中の彼は 周囲とは挨拶もせず口も利かない嫌われ者として存在しているだけだったようです。
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私は＜人間関係でやり切れない場＞に出くわした時には 必ずSのことを想うのです。さぞ無念であっただろう。もっともっと多くの本を読みたかったであろうに・・・。 ８０も中ばとなりました俺は お粗末をいっぱいやらかし 酒も味噌汁も沢山飲む事が出来ました。
Jikowsつれづれ 「家出のすすめ」 中津さんそん
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うです
少年Sは高校卒業で地元村役場に就職、母のもとを離れませんでした。
役場に勤務中の彼は 周囲とは挨拶もせず口も利かない嫌われ者として存在しているだけだったようです。
毎晩 小学同級の友人宅に立ち寄り一升二升と飲み明かす毎日でした。そして倒れ、三か月の闘病生活の後 あっ気なく21年の人生
に幕を下ろしたのです。黙って忠告じみた口もたたかず酒の相手をしていた幼友達は Sの墓堀りをやっていました。
私は＜人間関係でやり切れない場＞に出くわした時には 必ずSのことを想うのです。さぞ無念であっただろう。もっともっと多くの本を読みたかったであろうに・・・。 ８０も中ばとなりました俺は お粗末をいっぱいやらかし 酒も味噌汁も沢山飲む事が出来ました。
Jikowsつれづれ 「家出のすすめ」 中津さんそん
「家出の勧め」は誰にでも覚えがあります。物心の付き始める年頃となると必ずやってくる「悩み事」のようです。私も考え込んだ少年で今昔＃６５ Jikowsつれづれ〈家出〉
したが 偶然も重なり早い年に童子なりに解決しました。
次に語る事件は私の身近で起きたことで あまり公にはしたくない案件ですが 老いて終末を眼前にしても 未だにどうしても「どうして親をすてなかった？」と口惜しさにやりきれないのです。だから 書くのです。
甘たっれるな！ 親子関係は弱虫では出来上がらん。 優等生でないから言えることもあんじゃ！
少年Sは私と同年、向こうは優等生、俺は問題児でした。父親は終戦間際に南の海に戦死。 ために偶々の偶然となりますが 私と同じ北上の片田舎に仮住まいを続ける境遇でした。 要するに 住むところもなく食うに食えない難民が農村の親戚を頼って都落ちをしてきた厄介者です。 歓迎される筋ではありませんでしょう。
少年Sは母と二歳下の弟の母子家庭です。 3人は村のはずれの祖父が営む作業場でつつましく暮らしているかに ガキの僕には見えました。 祖父は村一帯の農機具の手入れをやって 此の若後家となってしまった息子の嫁一家を面倒見ていました。 俺は『ウサギの生け捕り』をこのおじいさんに教わったのだ。
ところが 祖父は丁度一年ほど元気だったんだけどアッサリ死んでしまったのです。 息子嫁は村の子供どもを丸坊主にして小銭を得ていましたが こんなことで食っていける筈はありません。
本家の主は長男が継いでいます。 亡くなった夫の兄貴です。この兄貴が頼りになる男でした。寡婦の住家を好く訪れ一家3人の慰めとなっていたのでした。 幼い2人の兄弟が＜伯父さん＞の来宅を喜ぶ日が４～５年も続いたでしょうか、少年Sが中2の14歳のころ
嫌な噂を耳にしました。 【お母さんとオジサンは出来ている】。
やがて本家の方からも 嫌味というか蔑みというのか 2人の兄弟には未だ理解できない言葉を投げつけられることとなるのでした。
中学時代とは 全くもって運の悪い時期に出会ったものでした。少年Sも弟も世間に口を利かなくなりました。伯父貴がヤッテきても目も合わせません。間に入った母親はオロオロするばかり。 ただ ブツブツと何やら二人に手を合わせお願いするばかりだったのです。
弟の方は中学を卒業するとサッさと埼玉の鋳物工場に住み込み就職を決めて消えてしまいました。
少年Sには色々忠告する人がいました。 私も小なりに心配する一人でした。 「出ちゃえよ あんな所・・・」
彼は全然耳をかさないのです。 俺自身は親友ぐらいに思っていたのでしたが やはり問題児はさして信用はされてはいなかったよ
うです
少年Sは高校卒業で地元村役場に就職、母のもとを離れませんでした。
役場に勤務中の彼は 周囲とは挨拶もせず口も利かない嫌われ者として存在しているだけだったようです。
毎晩 小学同級の友人宅に立ち寄り一升二升と飲み明かす毎日でした。そして倒れ、三か月の闘病生活の後 あっ気なく21年の人生
に幕を下ろしたのです。黙って忠告じみた口もたたかず酒の相手をしていた幼友達は Sの墓堀りをやっていました。
私は＜人間関係でやり切れない場＞に出くわした時には 必ずSのことを想うのです。さぞ無念であっただろう。もっともっと多くの本を読みたかったであろうに・・・。 ８０も中ばとなりました俺は お粗末をいっぱいやらかし 酒も味噌汁も沢山飲む事が出来ました。
Jikowsつれづれ 「家出のすすめ」 中津さんそん
「家出の勧め」は誰にでも覚えがあります。物心の付き始める年頃となると必ずやってくる「悩み事」のようです。私も考え込んだ少年で今昔＃６５ Jikowsつれづれ〈家出〉
したが 偶然も重なり早い年に童子なりに解決しました。
次に語る事件は私の身近で起きたことで あまり公にはしたくない案件ですが 老いて終末を眼前にしても 未だにどうしても「どうして親をすてなかった？」と口惜しさにやりきれないのです。だから 書くのです。
甘たっれるな！ 親子関係は弱虫では出来上がらん。 優等生でないから言えることもあんじゃ！
少年Sは私と同年、向こうは優等生、俺は問題児でした。父親は終戦間際に南の海に戦死。 ために偶々の偶然となりますが 私と同じ北上の片田舎に仮住まいを続ける境遇でした。 要するに 住むところもなく食うに食えない難民が農村の親戚を頼って都落ちをしてきた厄介者です。 歓迎される筋ではありませんでしょう。
少年Sは母と二歳下の弟の母子家庭です。 3人は村のはずれの祖父が営む作業場でつつましく暮らしているかに ガキの僕には見えました。 祖父は村一帯の農機具の手入れをやって 此の若後家となってしまった息子の嫁一家を面倒見ていました。 俺は『ウサギの生け捕り』をこのおじいさんに教わったのだ。
ところが 祖父は丁度一年ほど元気だったんだけどアッサリ死んでしまったのです。 息子嫁は村の子供どもを丸坊主にして小銭を得ていましたが こんなことで食っていける筈はありません。
本家の主は長男が継いでいます。 亡くなった夫の兄貴です。この兄貴が頼りになる男でした。寡婦の住家を好く訪れ一家3人の慰めとなっていたのでした。 幼い2人の兄弟が＜伯父さん＞の来宅を喜ぶ日が４～５年も続いたでしょうか、少年Sが中2の14歳のころ
嫌な噂を耳にしました。 【お母さんとオジサンは出来ている】。
やがて本家の方からも 嫌味というか蔑みというのか 2人の兄弟には未だ理解できない言葉を投げつけられることとなるのでした。
中学時代とは 全くもって運の悪い時期に出会ったものでした。少年Sも弟も世間に口を利かなくなりました。伯父貴がヤッテきても目も合わせません。間に入った母親はオロオロするばかり。 ただ ブツブツと何やら二人に手を合わせお願いするばかりだったのです。
弟の方は中学を卒業するとサッさと埼玉の鋳物工場に住み込み就職を決めて消えてしまいました。
少年Sには色々忠告する人がいました。 私も小なりに心配する一人でした。 「出ちゃえよ あんな所・・・」
彼は全然耳をかさないのです。 俺自身は親友ぐらいに思っていたのでしたが やはり問題児はさして信用はされてはいなかったよ
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少年Sは高校卒業で地元村役場に就職、母のもとを離れませんでした。
役場に勤務中の彼は 周囲とは挨拶もせず口も利かない嫌われ者として存在しているだけだったようです。
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次に語る事件は私の身近で起きたことで あまり公にはしたくない案件ですが 老いて終末を眼前にしても 未だにどうしても「どうして親をすてなかった？」と口惜しさにやりきれないのです。だから 書くのです。
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少年Sは母と二歳下の弟の母子家庭です。 3人は村のはずれの祖父が営む作業場でつつましく暮らしているかに ガキの僕には見えました。 祖父は村一帯の農機具の手入れをやって 此の若後家となってしまった息子の嫁一家を面倒見ていました。 俺は『ウサギの生け捕り』をこのおじいさんに教わったのだ。
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弟の方は中学を卒業するとサッさと埼玉の鋳物工場に住み込み就職を決めて消えてしまいました。
少年Sには色々忠告する人がいました。 私も小なりに心配する一人でした。 「出ちゃえよ あんな所・・・」
彼は全然耳をかさないのです。 俺自身は親友ぐらいに思っていたのでしたが やはり問題児はさして信用はされてはいなかったよ
うです
少年Sは高校卒業で地元村役場に就職、母のもとを離れませんでした。
役場に勤務中の彼は 周囲とは挨拶もせず口も利かない嫌われ者として存在しているだけだったようです。
毎晩 小学同級の友人宅に立ち寄り一升二升と飲み明かす毎日でした。そして倒れ、三か月の闘病生活の後 あっ気なく21年の人生
に幕を下ろしたのです。黙って忠告じみた口もたたかず酒の相手をしていた幼友達は Sの墓堀りをやっていました。
私は＜人間関係でやり切れない場＞に出くわした時には 必ずSのことを想うのです。さぞ無念であっただろう。もっともっと多くの本を読みたかったであろうに・・・。 ８０も中ばとなりました俺は お粗末をいっぱいやらかし 酒も味噌汁も沢山飲む事が出来ました。
Jikowsつれづれ 「家出のすすめ」 中津さんそん
「家出の勧め」は誰にでも覚えがあります。物心の付き始める年頃となると必ずやってくる「悩み事」のようです。私も考え込んだ少年で今昔＃６５ Jikowsつれづれ〈家出〉
したが 偶然も重なり早い年に童子なりに解決しました。
次に語る事件は私の身近で起きたことで あまり公にはしたくない案件ですが 老いて終末を眼前にしても 未だにどうしても「どうして親をすてなかった？」と口惜しさにやりきれないのです。だから 書くのです。
甘たっれるな！ 親子関係は弱虫では出来上がらん。 優等生でないから言えることもあんじゃ！
少年Sは私と同年、向こうは優等生、俺は問題児でした。父親は終戦間際に南の海に戦死。 ために偶々の偶然となりますが 私と同じ北上の片田舎に仮住まいを続ける境遇でした。 要するに 住むところもなく食うに食えない難民が農村の親戚を頼って都落ちをしてきた厄介者です。 歓迎される筋ではありませんでしょう。
少年Sは母と二歳下の弟の母子家庭です。 3人は村のはずれの祖父が営む作業場でつつましく暮らしているかに ガキの僕には見えました。 祖父は村一帯の農機具の手入れをやって 此の若後家となってしまった息子の嫁一家を面倒見ていました。 俺は『ウサギの生け捕り』をこのおじいさんに教わったのだ。
ところが 祖父は丁度一年ほど元気だったんだけどアッサリ死んでしまったのです。 息子嫁は村の子供どもを丸坊主にして小銭を得ていましたが こんなことで食っていける筈はありません。
本家の主は長男が継いでいます。 亡くなった夫の兄貴です。この兄貴が頼りになる男でした。寡婦の住家を好く訪れ一家3人の慰めとなっていたのでした。 幼い2人の兄弟が＜伯父さん＞の来宅を喜ぶ日が４～５年も続いたでしょうか、少年Sが中2の14歳のころ
嫌な噂を耳にしました。 【お母さんとオジサンは出来ている】。
やがて本家の方からも 嫌味というか蔑みというのか 2人の兄弟には未だ理解できない言葉を投げつけられることとなるのでした。
中学時代とは 全くもって運の悪い時期に出会ったものでした。少年Sも弟も世間に口を利かなくなりました。伯父貴がヤッテきても目も合わせません。間に入った母親はオロオロするばかり。 ただ ブツブツと何やら二人に手を合わせお願いするばかりだったのです。
弟の方は中学を卒業するとサッさと埼玉の鋳物工場に住み込み就職を決めて消えてしまいました。
少年Sには色々忠告する人がいました。 私も小なりに心配する一人でした。 「出ちゃえよ あんな所・・・」
彼は全然耳をかさないのです。 俺自身は親友ぐらいに思っていたのでしたが やはり問題児はさして信用はされてはいなかったよ
うです
少年Sは高校卒業で地元村役場に就職、母のもとを離れませんでした。
役場に勤務中の彼は 周囲とは挨拶もせず口も利かない嫌われ者として存在しているだけだったようです。
毎晩 小学同級の友人宅に立ち寄り一升二升と飲み明かす毎日でした。そして倒れ、三か月の闘病生活の後 あっ気なく21年の人生
に幕を下ろしたのです。黙って忠告じみた口もたたかず酒の相手をしていた幼友達は Sの墓堀りをやっていました。
私は＜人間関係でやり切れない場＞に出くわした時には 必ずSのことを想うのです。さぞ無念であっただろう。もっともっと多くの本を読みたかったであろうに・・・。 ８０も中ばとなりました俺は お粗末をいっぱいやらかし 酒も味噌汁も沢山飲む事が出来ました。
Jikowsつれづれ 「家出のすすめ」 中津さんそん
