出しまき玉子焼君 今君をまえにしていると わたしの気持ちは複雑なようで
かなりストレートなまでに単純明快、気分は子供子供と東北6県の健児たらんと
覚悟をしていたSSM夫婦の次男坊童子でした。純粋でしたな・・・。
昨今のだし巻き玉子焼きと言えば 味付けに複数の工夫をした「卵焼き」です。
斯く語る私の「だし巻き」は かれこれ50年以前になるけど「だしは卵の50%」の
伝承を叩きこまれた昭和人間です。
確かに 俺は伝承比率2:1のことは頭を離れることはなかった。 何時かは2:1をやってやろうとは思ってはいた。 しかし 何時まで経っても出来なかった。 『そんなの出来る筈ないじゃないか・・・」と言うのが仲間内の結論であり 私自身自分にそう言い聞かせて納得していた。 相変わらず 商品は「単なる味つけ一杯の―――玉子焼き」に過ぎなかったものな。 その頃 俺は業界から身も心も引いた別世界に移ってしまったが その時のヤケクソの心情には「この2対1にへばり付けられたコンプレックスも強かった筈だ。 (たかが玉子焼きにこんなに神経つかっておれんじゃ・・・)。
(たかがチンピラの癖に 人間なら誰にでもあるか 私自身のプライドが思わせてんだよな・・・。 ケチクサイ話し・・・)。
あの時から20年 いや 30年ぐらいは逝ってんのとちがうかな? 今の俺には時間
の違いなどどうでもいいわい。 それは何時もの一人酒をやろうとしてゴッチャゴッチャしていたら なんと「あの50%だし巻き」が出来てしまったのだよな・・・。
あの時 俺は力んでも・特別に意識をしていたでもなかった。 感激も・驚きもなかったな. ただ一瞬 神様のお陰だと思ったもんな。
俺も80年代に入ると 人間界は<オサラバ適齢期>だ。 周囲は日々ざわついている。。 ところが 私自身には何らのコンプレックスも出てこない。
俺自身「お粗末人間」であることは十分承知しているけど 何故?この静けさわ ?
私は これを「だし巻き比率50%の卵焼き」を抜いたことに原因すると信じております。 たかが《卵焼き、されど・・・・・》。と言う話です。
Jikows 中津さんそん