今は昔#64 Jikowsつれづれ「わが青春は港々の苦力coolieにあり・・・」 中津さんそん

  港湾荷役は肉体労働の中では最も過酷な環境条件下の仕事でしょう。、と映像物語的には語られてきました。

キツイ仕事、シンドイ労働と言いましても 時と場合によりけりでしょうし、なによりも港湾荷役ともなると どうゆう訳か

労働者個人が背負っている心の重荷が可成りドラマチックに空想されている所以かもしれません。 <港の労働>と言えば 【おっかない】もの として 普通はどちらかと言えば社会的には敬遠されるものでした。確かに給金は高い。しかし 危険はもっと高い。

 江戸時代の佐渡金山の事を読んでいた時に勉強しました。金山労働には、犯罪囚人の懲役労働は別として 全国からは自分の意思からやってくる志願者がゴマンとおりました。 目的は、もちろん、高い給金にありました。 港湾荷役労働と同じ発想です。舟板一枚下は地獄です。知っています。ですけど人間はお利口さんじゃありません。気が付いた時には手遅れなんてことが、小金吹雪のバカ笑いの

お話であったかに聞いております。やられるのは 事故と胸の疾病です。 もちろん 現代の日本は福祉厚生社会です。 労働者とて江戸時代じゃあるまいし そう何時までも己の短命を辛抱しているわけではありません。 自らの強い意志で手足の指をワイヤーに引っ掛け切断します。 かなりの労災保険金を受け取り急場を切り抜け知恵もあるというものです。

コンナ環境条件下では 人間なんてもんは古今東西、流れる如く<飲む・打つ・買う>の日常になってしまいますわね・・・

ところがよくしたもので こんな町は以外に人気があるのか人がワンサカ集まってくるのです。賑やかが一番です。 非教育的と言うのか、非道徳的と言うのか知らないけれど、無法地帯とも断定できない、まあ 勝手気ままな自由地帯、要するに無防備都市は 青春の男たちには<堪らない魅惑>だと私は思います。  私も人後には落ちませんが・・・。。

  ある日ある時の事です。」

 その時、時間は真夜中の0時前後ではなかったかと思います。この本船の荷役に入ったのは 昨夜の夜勤からですから まる一昼夜

とチョット詰めていたことになります。この働き方というかローテイションを説明しますと 夜勤を8時頃から明け方5時ごろまでやって,宿舎に帰ることなく 朝8時からの通常労働に頑張っていくという構図です。これを「連チャン」とか「通し」とか言ってましたが肉体的にはシドイとしても金になる事情もあり 港湾作業ではまあ日常のことです。 今私の言っている<ある日ある時の事>と言っていますのは この「連チャン」の後に普通のoneday労働をやるというものです。 しかもこの場合”夜勤“です。かなりムチャな話なのです。歓迎されません。しかし まかり通っていたムチャでした。  

 何故こんなことが起きるかと言いますと 港と云うところは 入港したらその時から即 金のかかるトコロです。埠頭であれブイであれとにかく金がかかります。船の停泊料金だけではない。1万トン以上の貨物本船ともなったら航海中でなくても保安維持に金はかかります。 ですから船主経営者は船の起動中は「動け動け、運べ運べ」の24時間なのです。まさにtime is money の商売なのです。

 ここで 船からの荷の揚げ降しという港湾荷役という仕事が想像以上の仕事となってくるのでした。 当時は<コンテナー輸送>は未だポピュラーなものではありませんでした。クレーンより人間の力だったのです。

昼間onedayで片づかなかったら 夜までまわせ、それでも未だなら「通せ通せ」、行け行け! どんどん」。となります。

狭い船底に1トンでも多くの荷を詰め込んでいくには彼らプロの労働者が必要なのです。そこには人間の健康も法律もありませんでした。 

労働者は こうなると仕事段取り の10分15分の僅かの時間を盗んで (下級)船員部屋の通路に寝そべるのでした。

姿はマグロのセリ売り場に並べられた場違いのイカレ物みたいなものです。健康第一,というより体力持続です。

 その我々労働者の頭を香水の匂いを振りまいて、大きなスカートがフアリと広がって撫ぜていきます。 船女郎のネ~さんが我々労働者のつかの間の睡眠を邪魔しないように気遣いながらも丸太みたいな男たちをポンポンと器用にまたいでいきます。 お姫さんたちは一晩に3-5人の船員を相手にしています。 横目で見るだに 大変な仕事だな、と感動したものです。

泥のような仮眠です。 不思議に彼女たちが頭の上を過ぎていくときは 虚ろながらも神経が起きて結果的にはスカート覗きのセクハラになっていますが 実は彼女たちは白い下着を見せてこの汚い男たちをちょっとばかりですけど応援してくれてるものと私は思ったりしていました。 思いはロマンですよ。存命ならば<アラ90>位にはなっているでしょう。

         Jikowsつれづれ続けます       中津さんそん

 

今は昔64 Jikowsつれづれ「わが青春は港々の苦力coolieだった…」 中津さんそん

  港湾荷役は肉体労働の中では最も過酷な環境条件下の仕事でしょう。、と映像物語的には語られてきました。

キツイ仕事、シンドイ労働と言いましても 時と場合によりけりでしょうし、なによりも港湾荷役ともなると どうゆう訳か

労働者個人が背負っている心の重荷が可成りドラマチックに空想されている所以かもしれません。 <港の労働>と言えば 【おっかない】もの として 普通はどちらかと言えば社会的には敬遠されるものでした。確かに給金は高い。しかし 危険はもっと高い。

 江戸時代の佐渡金山の事を読んでいた時に勉強しました。金山労働には、犯罪囚人の懲役労働は別として 全国からは自分の意思からやってくる志願者がゴマンとおりました。 目的は、もちろん、高い給金にありました。 港湾荷役労働と同じ発想です。舟板一枚下は地獄です。知っています。ですけど人間はお利口さんじゃありません。気が付いた時には手遅れなんてことが、小金吹雪のバカ笑いの

お話であったかに聞いております。やられるのは 事故と胸の疾病です。 もちろん 現代の日本は福祉厚生社会です。 労働者とて江戸時代じゃあるまいし そう何時までも己の短命を辛抱しているわけではありません。 自らの強い意志で手足の指をワイヤーに引っ掛け切断します。 かなりの労災保険金を受け取り急場を切り抜け知恵もあるというものです。

コンナ環境条件下では 人間なんてもんは古今東西、流れる如く<飲む・打つ・買う>の日常になってしまいますわね・・・

ところがよくしたもので こんな町は以外に人気があるのか人がワンサカ集まってくるのです。賑やかが一番です。 非教育的と言うのか、非道徳的と言うのか知らないけれど、無法地帯とも断定できない、まあ 勝手気ままな自由地帯、要するに無防備都市は 青春の男たちには<堪らない魅惑>だと私は思います。  私も人後には落ちませんが・・・。。

  ある日ある時の事です。」

 その時、時間は真夜中の0時前後ではなかったかと思います。この本船の荷役に入ったのは 昨夜の夜勤からですから まる一昼夜

とチョット詰めていたことになります。この働き方というかローテイションを説明しますと 夜勤を8時頃から明け方5時ごろまでやって,宿舎に帰ることなく 朝8時からの通常労働に頑張っていくという構図です。これを「連チャン」とか「通し」とか言ってましたが肉体的にはシドイとしても金になる事情もあり 港湾作業ではまあ日常のことです。 今私の言っている<ある日ある時の事>と言っていますのは この「連チャン」の後に普通のoneday労働をやるというものです。 しかもこの場合”夜勤“です。かなりムチャな話なのです。歓迎されません。しかし まかり通っていたムチャでした。  

 何故こんなことが起きるかと言いますと 港と云うところは 入港したらその時から即 金のかかるトコロです。埠頭であれブイであれとにかく金がかかります。船の停泊料金だけではない。1万トン以上の貨物本船ともなったら航海中でなくても保安維持に金はかかります。 ですから船主経営者は船の起動中は「動け動け、運べ運べ」の24時間なのです。まさにtime is money の商売なのです。

 ここで 船からの荷の揚げ降しという港湾荷役という仕事が想像以上の仕事となってくるのでした。 当時は<コンテナー輸送>は未だポピュラーなものではありませんでした。クレーンより人間の力だったのです。

昼間onedayで片づかなかったら 夜までまわせ、それでも未だなら「通せ通せ」、行け行け! どんどん」。となります。

狭い船底に1トンでも多くの荷を詰め込んでいくには彼らプロの労働者が必要なのです。そこには人間の健康も法律もありませんでした。 

労働者は こうなると仕事段取り の10分15分の僅かの時間を盗んで (下級)船員部屋の通路に寝そべるのでした。

姿はマグロのセリ売り場に並べられた場違いのイカレ物みたいなものです。健康第一,というより体力持続です。

 その我々労働者の頭を香水の匂いを振りまいて、大きなスカートがフアリと広がって撫ぜていきます。 船女郎のネ~さんが我々労働者のつかの間の睡眠を邪魔しないように気遣いながらも丸太みたいな男たちをポンポンと器用にまたいでいきます。 お姫さんたちは一晩に3-5人の船員を相手にしています。 横目で見るだに 大変な仕事だな、と感動したものです。

泥のような仮眠です。 不思議に彼女たちが頭の上を過ぎていくときは 虚ろながらも神経が起きて結果的にはスカート覗きのセクハラになっていますが 実は彼女たちは白い下着を見せてこの汚い男たちをちょっとばかりですけど応援してくれてるものと私は思ったりしていました。 思いはロマンですよ。存命ならば<アラ90>位にはなっているでしょう。

         Jikowsつれづれ続けます       中津さんそん