今は昔#15 「自立もしてないくせに・・・」 中津さんそん

今は昔#15 「自立してない癖に・・・」

(はじめに)

 俺は本当に臆病者ですワ。、青年は自分でもつくづく情けなくなります。

こんな時にはガサガサせずに冬眠することです。青年の知恵です。と言っても 臆病者の後ろめたさは隠せませんが・・。.コウベには入り込めなかった悔しさがあ

ります。

(本文)

 港湾運輸会社に身を委ねることにしました。自由の切り売りです。 あの心動かした神戸ではありません。大阪の「ダイコー。。」に身を任せることに為りました。。 和歌山大阪尼崎神戸と大阪湾を仕切る大会社です。こんな時にも 大会社志向かよ と己の貧乏根性が嫌になります。

 やはりシンドイ。coolieの宮仕いに自由はありません。古今東西当たり前の話でしょうに・・。

 寮は大埠頭のちかくです。五十人ほどの労働者が巣喰っており、それを一人のボーシンが公私ともに面倒を見、仕事を差配します。運輸会社はこんなボーシンを複数持ち会社全体を塩梅してるということです。いわばコマンド実戦部隊というところでしょう。コマンドの質と量が運輸会社の実力となります。

 寮で食事が確保できるということは私にはありがたい話です。。。食事の度に毎度ウロチョロするのは正直言って独身者には嫌な仕事ですから。皆さん承知のことです

衣食住があると人間の心は自然贅沢になるみたいです。まるで高校生みたいに頭は計画一杯となります。。こんな気分はいいものです。八十二の老人から見たら 前途洋々の若者らしい、たとえ結果は「全部ダメでした」であったとしても・・・。。羨ましい限りですわ。  

 仕事の方は 中国向け肥料 木材小麦黒鉛等さまざまです。概して 俺たちのボーシンはあまりいい仕事は持ってこないようです。良い仕事とは【余禄】のあることです。

青年の頭はその時遅まきの未だ高校生です。高校生の苦痛など苦痛の中に入らん。した

(おわりに)

青年はここを雌伏の時間と位置付けました。 年齢の割にはかなり幼稚かもしれませんが

発達障害は誰にでもあるもの まあ本人がご機嫌なのですから まあ良いとしておくか・・・。。

              おわり