東横デパートとは 東急デパートの前身です。一度行ってみたいとおもっていたのに その前に 何か理由があるんでしょう 閉店してしまったじゃないですか…。人生なんて 間に合わんことばかり?
目指すは畳み一枚ほどの特設売り場、ピンホール・カメラの実演販売。12才の無知蒙昧はそれに夢中というより狂ってしまった。そんな俺弟を見かねてか、 姉が無理して買ってくれたのは良いとしても、少年の脳みそはピンホールの説明も理解出来ない御粗末なものだった。 商品そのものは厚紙を組み立てた粗悪なもでしたが それでも 露出を長くすれば 何かが写っている筈ですわ。 それなのに 進駐軍のように<バチバチ>シャッター押したって何も写ってる筈ないじゃ。
結局 俺は一枚の写真も成功しなかったのです。
現在86歳の老生は12歳のころの自分少年が愛しいかぎりです。 運命の悪戯で上京してきた山猿少年である私は 何とも説明の出来ないカルチャー・ショックをかぶっても どう対処していいか考えることもなくウロウロ恰好つけてる狡猾な少年であったのでしょう。
「う~ん、オレの自分探しは あの時から始まっていたのか?」
確かに 自分は“渋谷をふるさと“ だと人にも語り 自分でも思っていたきらいがある。
これ無理だよ 100r%の嘘ではないだろうが・・・。
僕の渋谷とは テアトル渋谷、テアトル・ハイツ、テアトル名画の外国映画の一角であり 恋文横丁であり 千恵蔵・右太衛門の東映チャンバラ映画であり 渋谷川沿いに建つ女優小櫻葉子のダンススタジオであった。あの時 盗み見た”網タイツ“の強烈さは今も薄れてはいない。
時にメディアに見せつけられる「再開発する渋谷」を前にしては 私には“ふるさと”は浮かんでこない。
人間のロマンなんて この程度のもんか・・・?
「あっ そうそう」
おれJikowには 追い出された故郷があったんだったけな・・・・。消えようがないな・・・。
生きてる限り続けます。
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